全ての差別の止揚と克服を

公正な社会を望んでいます

2015-01-01から1年間の記事一覧

テロの時代の功利主義哲学

今世紀初頭は、テロによって世界が捉えられる時代になってしまった。テロに先立っては大国による小国への軍事侵攻があり、それ以前には小国内での民族紛争と弱者への犯罪がある。 小さな憎しみは繰り返すうちに雪だるまのように大きくなり、気がつけば誰もそ…

豊かな社会の尺度について

障害児の教育に掛かる社会的資源を節約する目的で、出生前診断の拡大を望む人がいるらしい。それが一市民ならそういう人もいるだろうとしか思わないが、とある県の教育委員長だったから大きく報道された。 たしかに障害児の教育には大きなコストがかかり、ま…

安保法案の成立を喜ぶ人がいるのはなぜなのか

結論から言えば、勝ち馬に乗る優越感だろう。 かつてはプロ野球12球団の中で読売ジャイアンツが次点以下を引き離し圧倒的な人気を誇っていた。豊富な資金力によるスター選手の起用と、日本テレビ、読売新聞、スポーツ報知による圧倒的な露出量が全国的な球団…

差別が闇サイト殺人事件の萌芽だったのか

いわゆる「闇サイト殺人事件」または「愛知女性拉致殺害事件」と呼ばれる強盗殺人、死体遺棄事件で死刑判決を受けた男の死刑が執行された。この事件は被告の陳述など公判記録が、死刑となった被告本人の意思によって公開されていた時期があり、現時点でも一…

公衆浴場における差別

そもそも差別とは何だろうか 一言で言えば「恣意的な分別によって対象の個人または集団に不利益を強要する行為」という事になるだろう。 比較的軽い*1差別の例として、刺青やタトゥーをしている人が公共浴場の利用を断られるケースがある。刺青やタトゥーを…

政治的に美しい物語の戦い

ある活動家と話をする機会があって、改めて感じた事。旧来の左翼やリベラルは「正しさ」とか「正義」とか「平等」を美しいものとして活動し、運動を展開した。しかし現代においてはインターネットの一般化によって、若年者・無学者が大いに自説を開陳し、近…

少子化に抗うために早婚を奨励するべきか

日本人の生涯未婚率が急激な上昇を見せていると話題になった。現在出産適齢期にある世代は一人子として育った率も高く、晩婚化傾向と組み合わさる事によって結婚や子育ての前に親の介護の必要が発生する率が高まっている。30代後半以上の年齢になれば、男女…

世界と自分の境界はひとつしかない

人間は一人で産まれて一人で死ぬ。双子で産まれようが大量虐殺で何千人と一緒に殺されようが、感覚や認知は結局共有できないものだ。だから孤独に耐える覚悟と諦観が必要なのだ。人間存在の孤独を無視する者は、おそらく浅薄な世界に生き、浅薄な存在として…

政治の憂鬱と学習という政治運動

ここ数日ブログ上の応酬を眺めていて、心情的にはプロブロガー志望の世間知らずさにうんざりしている。そもそもブログは操作の簡便な記録手段でしかなく、それが価値を持つとすれば記録の内容か記録する人に希少性や有用性がある場合に限られる。残念な事に…

Facebookのコメント報告機能が機能していない。

BLOGOSに寄稿された記事に関して酷いコメントがついていたので非表示にして差別発言として報告した。しかし解答は以下のような素っ気無いものだ。 差別的表現や記号が含まれるとご報告いただいたコメントを確認したところ、コミュニティ規定に違反するもので…

シャルリーエブド事件についてフランス人から聞いた話

私にとってシャルリーエブド事件は非常に衝撃的であり、それを受けたフランス人及び欧米人の反応はやや理解に苦しむ部分があった。たまたま友人に翻訳会社を経営するフランス人がいたので、捕まえて話を聞いた。以下は彼の話を要約したものである。 フランス…

ブログの息苦しさについての雑感

このブログがごく偶にしか更新されないのも、ここ最近話題になっている「ブログの息苦しさ」の所為と言っていいだろう。 しかしこれはインターネットが真に社会インフラになった証左でもあり、むしろ歓迎するべきである。 何が息苦しさの正体かと言えば、自…